札幌市のダイエット・ボディメイク専門パーソナルトレーニングジム「スタイルメソッド」の古本 直也(フルモト ナオヤ)です。

ダイエットをある一定期間継続すると、体重(厳密には体脂肪)が落ちなくなる時期がやってくることがあります。

これは俗に「停滞期」と呼ばれていますが、ダイエット経験のある方は、実際にご体験されたことがあるのではないでしょうか?

今回の記事は、体重の落ちで悩まれている方に向けて、ダイエットで停滞する理由と対策を解説していきたいと思います。

ダイエットとアンダーカロリーの関係について

まず、ダイエット(=ここでは「体脂肪を落として身体を細く引き締めること」と定義して話を進めていきます)を成功させるためには、日々の生活をアンダーカロリーにする必要があります。

アンダーカロリーとは、

消費カロリー>摂取カロリー

上記のように、エネルギーの収支をマイナスにした状態のことで、摂取カロリーよりも消費カロリーが大きい、見方を変えるならば、消費カロリーよりも摂取カロリーが小さい、といった状況を指します。

ちなみに、消費カロリーと摂取カロリーがイコールはメンテナスカロリー、アンダーカロリーの逆パターンはオーバーカロリーと呼ばれます。

巷では、糖質を制限するロカボや、1日のうち決められた時間帯のみ食事をする間欠的ファスティングなど様々なダイエット法が紹介されていますが、どの方法にしろ、このアンダーカロリーを守らずして体脂肪を落とすことは不可能である、と捉えていただいて問題はありません。

ダイエットで停滞する理由と対策

ここから本題に入っていきたいと思いますが、ダイエットで停滞する=体重が落ちなくなる理由は、ズバリ日々の生活がアンダーカロリーになっていないためです。

もっと厳密にお伝えすると、ダイエットを始めた初期の頃はアンダーカロリーになっていたので順調に体重が落ちていったけど、ある一定期間継続した今はメンテナスカロリーか場合によってはオーバーカロリーになっているので体重が落ちていかない、ということです。

では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

理由①基礎代謝量が低下したから

1つ目に挙げられる理由が「基礎代謝量の低下」です。

基礎代謝は、心臓を動かす・呼吸をするなど、生命活動を維持するために必要最低限とされるエネルギーを指しており、その大きさは年齢や体格などいくつかの要因によって左右されます。

下記の表(1)は、ヒトの臓器・組織における、安静時のエネルギー代謝量を表したものです。

臓器・組織 エネルギー代謝量
(kcal/kg/日)
脂肪組織 4.5
骨格筋 13
肝臓 200
240
心臓 440

もうすでにご存知かもしれませんが、ここで重要なのは、脂肪組織(体脂肪)に加え、骨格筋(筋肉)も基礎代謝を構成する要素に含まれている、という点です。

そのため、主に食事を制限するダイエットにおいては、当然体脂肪も落ちますが、一方で筋肉も落ちてしまうため、身体を細く引き締めれば引き締めるほど基礎代謝量も相応に低下していきます。

もっとも、強度の高い運動、例えば筋トレを並行して上手に実施すれば、体脂肪を落としながらも筋肉を維持、場合によっては増やすことも可能です。

つまり、基礎代謝量を極力低下させずに、むしろ増加させることができるかもしれない、ということです。

しかし、食事を制限するペースが早いダイエットにおいては、筋トレを並行して実施しても筋肉が増えなかったとする報告もあります(2)。

さらに、ダイエットをある一定期間継続すると、内分泌系や神経系の活動レベルが下がり、本来以上に基礎代謝量が低下する=省エネモードになることも確認されています(3)。

簡単にまとめると、ダイエットを始めた初期の頃は1800kcalの消費>1500kcalの摂取とアンダーカロリーになっていたので順調に体重が落ちていったけど、ある一定期間継続した今は基礎代謝量が低下した影響で1500kcalの消費=1500kcalの摂取とメンテナスカロリーになっているので体重が落ちていかない可能性がある、ということです。

理由②身体活動代謝量が低下したから

2つ目に挙げられる理由が「身体活動代謝量の低下」です。

身体活動代謝は、主に運動によるもの(スポーツとか)と日常生活活動によるもの(掃除とか料理とか家事など)から構成されており、特に後者は非運動性身体活動、別名NEAT(non-exercise activity thermogenesis)とも呼ばれ、近年肥満との関係性が注目されています。

少し難しい言葉を使っていますが、簡潔にお伝えするならば、身体を動かすことで消費されるエネルギー=身体活動代謝だと思っていただければ問題はありません。

ここで重要なのは、どのような身体活動であるにせよ、消費されるエネルギーの大きさは体重によって変わる、という点です(4)。

これは、ご想像していただけると簡単にお分かりになるかと思いますが、重たい荷物をパンパンに詰め込んだ大型トラックと、乗員1名の軽自動車では、前者の方が多くのガソリンを消耗します。

通勤時、体重60kgの方が2km歩くのと、体重50kgの方が2km歩くのでは、前者の方が多くのエネルギーを消費するということです。

そのため、身体を細く引き締めれば引き締めるほど=体重を落とせば落とすほど、特に生活スタイルが変わっていない場合は、身体活動代謝量の低下が起こり、結果アンダーカロリーになっていない可能性が考えられます。

また、これは個人的な経験論なのですが、ダイエットをある一定期間継続すると、非運動性身体活動にかける時間が少なくなる印象もあります。

つまり、長期に渡るダイエットで疲労が溜まり、掃除とか料理とか家事などに取り組む気力が薄れる=消費されるエネルギーが減る、ということです。

対策

ダイエットで停滞する理由として、基礎代謝量、および身体活動代謝量の低下によるアンダーカロリーからの脱線を挙げました。

そのため、ダイエットの停滞期を乗り越えるためには、基礎代謝量、および身体活動代謝量を増加させるなどして、再びアンダーカロリーに戻す必要があります。

では、何をすれば良いのかというと、個人的にまずオススメしたいのがリフィード(再給餌)です。

詳しくは(こちらの記事)をご覧いただきたいのですが、リフィードは一時的に摂取カロリーを増やす方法で、ダイエットをある一定期間継続したことによって、本来以上に基礎代謝量が低下した省エネモードを解除する働きがあります。

また、食事制限だけのダイエットに取り組まれているのであれば、筋トレを並行して実施するのも良いでしょう。

体脂肪を落としながらも筋肉を維持、増やすことは難しいかもしれませんが、基礎代謝量の低下度合いを抑えることが期待できますし、身体活動代謝量もアップすることでしょう。

もっとも、筋トレを並行して実施しにくい場合は、軽度のウォーキングやサイクリングから始めるのもOKです。

また、運動自体の実施が難しいようであれば、リフィードを取り入れたのち、健康を損なわない範囲で、摂取カロリーをさらに控えても良いかもしれません。

基礎代謝量、および身体活動代謝量の増加には繋がらなかったとしても、違うアプローチからアンダーカロリーを作り出すことができます。

最後に

ダイエットをある一定期間継続すると、高い確率で停滞期が訪れます。

しかし、停滞期は停滞期であり、体重(厳密には体脂肪)が落ちなくなる「時期」に過ぎません。

このブログ記事が、皆様のお役に立てれば幸いです。

 

<参考文献>

(1)厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

(2)Effect of Two Different Weight-Loss Rates on Body Composition and Strength and Power-Related Performance in Elite Athletes

(3)Intermittent energy restriction improves weight loss efficiency in obese men: the MATADOR study

(4)国立健康・栄養研究所 改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」