札幌市のパーソナルトレーニングジム スタイルメソッドの古本 直也(フルモト ナオヤ)です。
スポーツジムには、必ずと言って良いほど鏡が置かれています。
当ジムでも、当たり前のごとくパワーラックの正面に置いています。
しかし、かなりマニアックなテーマにはなりますが、パーソナルトレーナーの間では、鏡を置くこと=「動作中に鏡を見ること」に関しては賛意両論あり「見ないほうが良い」と主張する方も実は多くいらっしゃいます。
今日は、動作中に鏡を見たほうが良いのか?それとも見ないほうが良いのか?というタイトルで記事を書いていきますが、はじめに個人的な見解をザックリお伝えしますと「最終的には見ないのが理想だけど、最初のうちは見てもらってOK!」といった感じです。
動作中に鏡を見るメリットとデメリット
メリット
まず、筋トレをする際は、何よりもフォームを重要視することをオススメしています。
筋トレのフォームが疎かだと、安全性を低下させるだけでなく、効果を減少させる危険性も孕んでいるためです。
では、どうすれば適切なフォームで筋トレができるのかというと、手段の1つとして「動作中に鏡を見る」が挙げられます。
例えばスクワットでは、動作中に鏡を見ることで「立ち上がるとき左膝が大きく内側に入る」とか「しゃがむとき大きく右肩が下がる」など、いわゆる「エラー動作」を把握できたりします。
エラー動作を把握できれば、あとはそれらに対処することで、適切なフォームへと近づけるでしょう。
実際、私も遊び半分で筋トレを始めた中学生の頃は、公園なんかでスクワットに励んでいたのですが、高校生になってからスポーツジムに通い、改めて鏡の前で動作をしたところ、そこで初めて、立ち上がるとき両膝が大きく内側に入ることを知った記憶があります。
デメリット
先ほど「動作中に鏡を見ることで、エラー動作を把握できれば、あとはそれらに対処することで、適切なフォームへと近づける」と記載しました。
が、動作中に鏡を見ることで、逆にエラー動作が起こる可能性もあります。
例えばスクワットでは、背骨に大きな負担がかかり、腰痛や椎間板ヘルニアなどの傷害が発生するリスクが高まるとの理由から、腰が丸まるのはNGとされており、基本的に背骨は綺麗なS字カーブを描くことが推奨されています。
つまり、腰は「やや反り気味」が理想で、過剰に反ってしまうのもまたNGです。
では、どうすれば腰の過剰な反りを防ぐことができるのかというと、方法の1つとして「顎を下に引く」が挙げられます。
首=頸椎は背骨を構成する一部分であり、腰=腰椎も同様に背骨を構成する一部分であるため、頸椎の反り具合は、腰椎の反り具合に影響を及ぼします。
実践してもらえればわかりやすいと思うのですが、真っ直ぐに立った状態で頸椎を反ると=顎を上に挙げると、腰椎も反る感覚があるかと思います。
一方で、今度は頸椎を丸めると=顎を下に引くと、腰椎もわずかながら丸まる感覚があるのではないでしょうか?
要は、顎を下に引くことで、腰の過剰な反りを防ぐことに繋がるわけです。
もっと言うのであれば「目線を下に向ける」ことで、腰の過剰な反りを防ぐことに繋がるわけです。
動作中に鏡を見ることは、目線を正面に向けることとイコールになります。
そのため、腰を過剰に反ってしまう方が動作中に鏡を見ると、目線が正面を向く→顎が上に挙がる→頸椎が反る→腰椎がさらに反りやくなる→腰を痛めるリスクが高まる、という流れが生まれます。
このように、動作中に鏡を見ることで、逆にエラー動作が起こる可能性もあるのです。
最後に
冒頭で「動作中の鏡に関しては、最終的には見ないのが理想だけど、最初のうちは見てもらってOK!」とお伝えしました。
しかし、これはあくまでもザックリであり、厳密には
「動作中に鏡を見ることで、エラー動作を把握できることもあるから、最初のうちは見てもらって構わない。でも、場合によっては、逆にエラー動作が起こる可能性もある。だから、筋トレにある程度慣れてきたら、動作中に鏡を見てフォームを正すのではなく、見なくてもフォームを正せるような感覚を身につけるのが望ましい」となります。
もっとも、これは個人的な見解に過ぎませんので、いちパーソナルトレーナーの意見として参考程度にとどめていただければ幸いです。