札幌市のパーソナルトレーニングジム スタイルメソッドの古本 直也(フルモト ナオヤ)です。
勉強でも料理でも、何かしら物事に取り組めば、それなりの期間はかかるでしょうが、メキメキと実力がついてきます。
これは、筋トレの効果にも同じことが言え、続ければ続けるほど筋肉量や筋力が増えたりするわけです。
しかし、どんなジャンルにせよ伸びしろには個人差があり、筋トレの効果も例外ではありません。
今回の記事は、筋トレの効果には個人差があることを踏まえたうえで、他人と比較するメリット・デメリットについて書いていきたいと思います。
筋トレの効果には個人差がある
まず、筋トレの効果における個人差を調べた研究はいくつかあります(1)(2)。
そこから得られた結果に、私個人の経験論も追加すると、おそらく以下のようなことが言えるかな、、という印象です。
①同じメニューを行っても筋肉量・筋力の増え方には個人差がある
→AさんとBさんがいたとして、スクワットを行った結果、
A | B | |
筋肉量 | 10%↑ | 5%↑ |
筋力 | 10%↑ | 5%↑ |
という感じです。
つまり、筋肉量・筋力においてAさんは増加しやすく、Bさんは増加しにくい、ということが言えます。
ざっくり言うと、Aさんは筋肉も力もつきやすいけど、Bさんは筋肉も力もつきにくい、ということです。
②同じメニューを行っても筋肉量・筋力の増え方には部位でも個人差がある
→AさんとBさんがいたとして、スクワットとベンチプレスを行った結果、
A | B | |
下半身筋肉量 | 10%↑ | 5%↑ |
下半身筋力 | 10%↑ | 5%↑ |
上半身筋肉量 | 5%↑ | 10%↑ |
上半身筋力 | 5%↑ | 10%↑ |
という感じです。
つまり、下半身の筋肉量・筋力においては、Aさんは増加しやすく、Bさんは増加しにくい、上半身の筋肉量・筋力においては、Aさんは増加しにくく、Bさんは増加しやすい、ということが言えます。
なぜ筋トレの効果には個人差があるのか?
これに関しては、食事内容・睡眠時間など環境要因のほか、筋線維タイプ(速筋とか遅筋とか)割合など遺伝要因が複雑に絡んでくるとされています。
ただ、完全に主観ではありますが、遺伝要因が筋トレの効果を決める大部分を占めるかな、、という印象です。
少し冷たい言い方になりますが「筋トレの効果の出やすさは、生まれた時点でほば決まっている」ということです。
他人と比較するメリット・デメリット
このように、筋トレの効果には個人差があるため、現段階での筋肉量・筋力、その増加率を他人と比較するのは、個人的にあまりオススメしていません。
もちろん、他人と比較することで、例えばメニューを見直すきっかけになったり、モチベーションの向上に繋がったりと、良い影響が及ぶこともあるでしょう。
一方で、逆にメニューを改悪することになったり、モチベーションがだだ下がりしたりと、悪い影響が及ぶことも十分に考えられます。
そのため、比較するのであれば、他人ではなく「過去の自分」をオススメしています。
半年前、一年前からどう変わったか?つまり「純粋に成長を楽しみましょう」ということです。
確かに、筋トレの効果には個人差があります。
しかし、ここで重要なのは、筋トレの効果には「個人差がある」というだけです。
基本的には、どんな方でも筋トレの効果は出ます。
もっとも、このようなことをお話しすると「初心者なら筋トレの効果が目に見えると思うけど、ある一定期間継続している例えば高齢者なんかは、老いのスピードに成長が追いつかず、過去の自分と比較したところで、衰えをより一層感じるだけじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は「筋トレをしていない自分」を想定するのがオススメです。
もし筋トレをしていなければ、まず間違いなく今以上に筋肉量・筋力は落ちていたはずですし、なんなら病気がちの生活を送っていたかもしれません。
最後に
今回は、筋トレの効果には個人差があることを踏まえたうえで、他人と比較するメリット・デメリットについて記事を書いてきましたが、何かしら物事に取り組む場合は「ポジティブ」が重要になるかと考えています。
特に筋トレでは、ストレスレベルが高い方ほど効果が弱まる可能性が報告されているほどです(3)。
このブログを通じて、少しでも皆様のトレーニングライフに貢献できれば、と思います。
<参考文献>
(1)Inter-individual variability in the adaptation of human muscle specific tension to progressive resistance training
(2)1RM推定によるウエイト・トレーニング・プログラムの検証
(3)Strength Gains after Resistance Training: The Effect of Stressful, Negative Life Events