札幌市のダイエット・ボディメイク専門パーソナルトレーニングジム「スタイルメソッド」の古本 直也(フルモト ナオヤ)です。

皆様は「加圧トレーニング」と呼ばれる筋トレ方法を聞いたことがあるでしょうか?

加圧トレーニングは、腕や太ももの付け根にベルトを巻き付けて圧力を加え、血流を制限した状態で筋肉に刺激を与える筋トレ方法です。

圧力を加え血流を制限することで、普通の筋トレ(※相応の重量を扱うウエイトトレーニング)よりも、軽い重量・少ない回数・短い時間で筋肉に刺激を与えることができると言われています。

近年、様々な形態のパーソナルトレーニングジムがみられるようになってきましたが、加圧トレーニングは一定の人気があり、これまでも、そしてこれからも多くの方々に支持されていくのではないか、という印象です。

当ジムでは加圧トレーニングを提供していませんが「そちらで加圧トレーニングを受講することはできますか?」というお電話をいただいたこともあります。

今回の記事は、この加圧トレーニングに焦点を当て、効果や普通の筋トレとの違いについて、そして、ダイエット・ボディメイクを目的とする場合は、どちらの筋トレ方法を取り入れた方が良いのかについて書いていきます。

結論

早速結論からお伝えしますが、ダイエット・ボディメイクを目的とする場合は、関節に傷害や痛みなどを抱えていないのであれば、加圧トレーニングではなく、普通の筋トレを取り入れることをオススメしています。

筋肉量

まずは筋肉量からです。

加圧トレーニングと普通の筋トレにおける効果の違いを調べた研究はいくつかあり、例えば(1)では、加圧トレーニング、または普通の筋トレを行うグループに分け、ベンチプレスを実施してもらい、筋断面積がどのように変化するのかを調べています。

期間は6週間で週3回の頻度、トレーニングボリューム(扱う重量×回数)は同等です。

結果、加圧トレーニングでは上腕三頭筋が4.9%、大胸筋が8.3%の増加に対し、普通の筋トレでは上腕三頭筋が8.8%、大胸筋が15.8%の増加でした。

倍とまではいきませんが、その差は結構大きい気がします。

筋力

次は筋力(力の強さ)です。

(2)では、こちらも加圧トレーニング、または普通の筋トレを行うグループに分け、ベンチプレスを実施してもらい、最大挙上重量がどのように変化するのかを調べています。

期間は6週間で週3回の頻度、トレーニングボリューム(扱う重量×回数)は同等です。

結果、加圧トレーニングでは8.7%の増加に対し、普通の筋トレでは11.8%の増加でした。

仮に、研究前におけるベンチプレスの最大挙上重量を100kgと仮定すると、加圧トレーニングは108.7kgに、普通の筋トレでは111.8kg挙げることができるようになった、ということになります。

そこまで大きな差ではないかもしれませんが、研究期間を伸ばすとそれなりの差になると判断できそうです。

ダイエット・ボデイメイクにおける筋肉量と筋力

ダイエット・ボデイメイクでは、体脂肪減少だけでなく、筋肉量や筋力を増加させることも肝となります。

筋肉量が増加すれば、ボディラインにメリハリがつき輪郭が美しくなりますし、筋力を増加させれば、筋トレでより大きな刺激を筋肉に与えることも可能です。

このような理由から、ダイエット・ボディメイクを目的とする場合は、加圧トレーニングではなく、筋肉量や筋力の増加に効果的な普通の筋トレを取り入れることをオススメしているわけです。

最後に

ダイエット・ボディメイクを目的とする場合は、普通の筋トレを取り入れることをオススメしていますが、関節に傷害や痛みなどを抱えているのであれば、加圧トレーニングを取り入れても良いかもしれません。

加圧トレーニングは、軽い重量・少ない回数・短い時間で筋肉に刺激を与えることができると言われていますので、関節への負担という点では、普通の筋トレよりも圧倒的に小さいはずです。

つまるところ、その状況に応じて臨機応変な対応を、という姿勢が大事になってくるのではないでしょうか?

 

<参考文献>

(1)Relationship between limb and trunk muscle hypertrophy following high-intensity resistance training and blood flow-restricted low-intensity resistance training

(2)Effects of high-intensity and blood flow-restricted low-intensity resistance training on carotid arterial compliance: role of blood pressure during training sessions