札幌市のダイエット・ボディメイク専門パーソナルトレーニングジム「スタイルメソッド」の古本 直也(フルモト ナオヤ)です。

一般的に、筋トレ後はストレッチをすることが推奨されています。

この理由はいくつかあるのですが、代表的なものとしては

・柔軟性低下の抑止
・疲労回復の促進
・筋肉痛の軽減

の3つが挙げられるでしょう。

筋トレをしてそのままにすると、柔軟性がどんどん下がる=体が硬くなるだけでなく、疲労がなかなか取れなかったり、筋肉痛が強く残ったりする。

しかし、筋トレ後にストレッチをすることによって、柔軟性を高める=体を柔らかくし、疲労をできるだけ早いうちに取り除き、筋肉痛を弱めることができる。

このような理由から、筋トレ後はストレッチをすることが一般的に推奨されています。

しかし、これらは本当なのでしょうか?

今日は、筋トレ後のストレッチに焦点を当て記事を書いていきます。

当ジムの指導方針

まずは、当ジムの指導方針からお伝えしますが、当ジムでは、筋トレ後にストレッチをすることは基本的にありません。

と言うのは、筋トレ後にストレッチをしても、柔軟性低下を抑止したり、疲労回復を促進したり、筋肉痛を軽減したりする効果はほぼないと考えているためです。

柔軟性低下の抑止

巷では、筋トレをすると柔軟性がどんどん下がる=体が硬くなると言われていますが、少なくとも大きな可動域で筋トレをした場合は、むしろ柔軟性は高まる=体が柔らかくなるとの報告がいくつも存在します。

例えば(1)では、大きな可動域で筋トレをするグループとストレッチをするグループに分け、定められたエクササイズを一定期間実施してもらい、体の硬さがどのように変化するのかが調べられました。

結果はどうなったのかというと、どちらのグループも同様の可動域の改善が確認されています。

つまり、筋トレとストレッチにおける体の硬さ改善効果は同じだったということです。

筋トレ自体に、柔軟性を高める=体を柔らかくする効果がそもそもあるのです。

疲労回復の促進

これは、筋トレに関する研究ではないのですが、サッカーの試合後にただ座っているグループとストレッチをするグループに分け、定められたストレッチエクササイズを一部位につき計30秒間実施してもらい、その後の疲労回復にどのような影響を及ぼすのかが調べられています(2)。

結果、どちらのグループも疲労回復の程度に差はみられませんでした。

試合後にただ座っていてもストレッチをしても、疲労回復の程度は同じだったということです。

筋肉痛の軽減

筋肉痛とストレッチに関する研究はいくつも行われており、いわゆる「レビュー」という形式でその効果が報告されています(3)(4)。

それによると、運動後だけでなく、運動前・運動中・運動前後にストレッチをしても、筋肉痛の予防に役立つとは言えなさそうです。

まとめ

筋トレ後にストレッチをしても、柔軟性低下を抑止したり、疲労回復を促進したり、筋肉痛を軽減したりする効果はほぼないと考えられるため、当ジムでは、筋トレ後にストレッチをすることは基本的にありません。

もっとも、個人的には、筋トレ後に低強度のストレッチを比較的長い秒数(120〜180秒間)することで、疲労回復の促進や筋肉痛の軽減に効果的ではないか?と思う経験がありますので、やり方によっては、筋トレ後にストレッチをする意義もあるかもしれません。

しかし、それはまだ、私自身のみ「そう思う経験がある」というだけであり、お客様の貴重な時間を割いてまで、わざわざストレッチをする必要性はないと感じています。

それなら、さらにセット数を増やして筋肉により大きな刺激を入れたり、動画で撮ったフォームを確認してもらったりした方がよっぽど良いのではないか?と思う今日この頃です。

 

<参考文献>

(1)Resistance training vs. static stretching: effects on flexibility and strength

(2)Static stretching does not enhance recovery in elite youth soccer players

(3)Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise

(4)Delayed onset muscle soreness (DOMS) management: present state of the art