札幌市のダイエット・ボディメイク専門パーソナルトレーニングジム「スタイルメソッド」の古本 直也(フルモト ナオヤ)です。

何を目的として筋トレをするかは、人それぞれで異なります。

スポーツ競技力向上のためという方もいるでしょうし、健康促進のためという方もいるでしょうし、スタイル改善のためという方もいるでしょう。

何を目的とするかによって、当然エクササイズの内容は変わってくるのですが、どのような目的であったとしても、特定の部位のみを鍛えるのはあまりオススメしていません。

全身を満遍なく鍛えるのが基本です。

全身を満遍なく鍛える理由

私たちの身体には、実に様々なカタチ・サイズの筋肉が存在しており、それぞれ独自の作用を担っているわけですが、それらの筋肉には「対」が確認されています。

この対は、一般的に「拮抗筋」と呼ばれており、簡単に言うと、相反する運動を行う筋群のことです。

拮抗筋の存在は、円滑な運動を行ううえで、重要な役割を果たしていると考えられています。

ちなみに、肘を曲げる際に働く上腕二頭筋の拮抗筋は、肘を伸ばす際に働く上腕三頭筋、腰を曲げる際に働く腹筋群の拮抗筋は、腰を伸ばす際に働く長背筋群です。

アクセルとブレーキのような関係、とイメージするとわかりやすいかもしれません。

冒頭で「特定の部位のみを鍛えるのはあまりオススメしていない」とお伝えしましたが、その理由はここにあります。

特定の部位のみを鍛え、対となる拮抗筋を無視してしまうと、何かしらの不調が出てしまうリスクが高まると考察できるのです。

アクセル性能ばかりを強化し、ブレーキ性能を疎かにすると、大事故に発展しかねません。

実際、急速なランを伴うスポーツ競技では、ハムストリングス(太もも裏の筋肉)の肉離れがしばしば報告されていますが、この原因の1つとして、大腿四頭筋(太もも前の筋肉)との筋力差が挙げられています(1)。

また、これは個人的な経験論に基づく見解ではあるのですが、肩関節や股関節など各関節の痛み・違和感も、先述したハムストリングスの肉離れ同様、拮抗筋の筋力差が原因の1つになっているという印象です。

満遍なく=バランスを整える

「身体に対する不調のリスクを低減させる」との理由から、筋トレでは全身を満遍なく鍛えることを基本としているわけですが、ここで1つ注意していただきたいことがあります。

それは「満遍なく=バランスを整える」であるということです。

そのため、これまでの生活の影響で、特定の部位が弱化しているのであれば、そこを集中的に鍛えてもらって全く構いません。

むしろ、集中的に鍛えるべきでしょう。

 

<参考文献>

(1)Relationship between hamstring strains and leg muscle strength. A follow-up study of collegiate track and field athletes