札幌市のダイエット・ボディメイク専門パーソナルトレーニングジム「スタイルメソッド」の古本 直也(フルモト ナオヤ)です。

私たちの身体は、決して左右対象ではありません。

目の大きさも、耳の高さも、指の長さも、左右で異なるのが普通です。

これは、筋肉量や筋力にも同じことが言え、例えば握力を調べた研究では、左右で有意差が確認されています(1)。

しかし、少なくともダイエット・ボディメイク業界では、筋肉の左右差が大きいと「見た目や姿勢に悪影響が及ぶ」との理由から 「左右差は少ないに越したことはない」と一般的に考えられています。

左右差の存在は、あまり良しとされていないわけです。

では、一体どのようなトレーニングを行えば、左右差を改善することができるのでしょうか?

左右差の原因

早速本題に入っていきたいと思うのですがその前に、なぜ筋肉には左右差が生じるのでしょうか?

遺伝子をはじめ、利き足や利き腕の存在、「決まった側でしか荷物を持たない」といった生活習慣やクセなど、原因はいくつも考えられますが、その中でも最も大きなものとしては「左右非対称な動作が要求されるスポーツ」の経験があるかどうかとされています。

左右非対称な動作が要求されるスポーツとは、左右で動きが異なるスポーツのことで、具体的にはテニスや野球などが挙げられます。

テニスではサーブを、野球では投球を思い浮かべてもらいたいのですが、これらの動作では、左右で同じ動きをすることはまずありません。

サーブでは、基本的に利き腕だけでラケットを振りますし、投球でも、基本的に利き腕だけでボールを投げます。

つまり、左右非対称性スポーツでは、強い負荷がかかる側と、強い負荷がかからない側ができてしまうわけです。

筋肉への刺激が、左右で偏るわけです。

そして実際、テニスと野球では、前腕部・胸部・腹部・大腿前部など、様々な部位の筋肉量において左右差が確認されています(2)(3)。

厳密には、強い負荷がかかる側で筋肉量が多くなっています。

しかし一方で、左右対称な動作が要求されるスポーツ、水泳なんかでは、強い負荷がかかる側と、強い負荷がかからない側ができないからか、体組成において左右差は確認されていません(4)。

私は、今年でパーソナルトレーナー歴10年を迎えますが、左右差でお悩みのお客様の90%近くは、テニス・野球・バドミントン・バレー・卓球…などの経験があるという印象です。

このような理由から、左右非対称性スポーツの経験があるかどうかが、左右差を生じさせる最も大きな原因とされています。

左右差を改善するためのトレーニング

先述した通り「大きな負荷がかかる側で筋肉は発達する」との報告があるため、筋肉の左右差を改善するためには、弱い側に対して大きな負荷をかける=しっかり刺激を入れることが重要になると考察可能です。

代表的な方法としては、以下の2つが挙げられます。

①絶対的に同じ刺激を
②絶対的に異なる刺激を

上腕二頭筋で左右差がみられる(右が強く左が弱い)と仮定し、アームカールを元に説明をしていきます。

絶対的に同じ刺激を

この方法では基本的に、左右で重さを変えたり、回数を変えたり、セット数を変えたりすることはありません。

バーベルならそのまま両手で、ダンベルなら左右で同じ重さを持ち、同じ回数、同じセット数を行います。

そして、弱い左の限界が来たところでストップです。

フォームが崩れるまでは行いません。

「強い右を、弱い左に合わせる」と言えばわかりやすいでしょうか。

こうすることで、強い右にも刺激は入りますが(絶対な刺激は同じですが)、弱い左には相対的に大きな刺激が入ることになります。

絶対的に異なる刺激を

先ほどの方法では、左右に対する相対的な刺激は違えど、絶対的な刺激は同じでした。

一方、この方法では、

1種目め:左カール 12kg 10回 4セット
2種目め:右カール 15kg 10回 3セット

あるいは、

1セット目:左カール 12kg 10回
2セット目:右カール 15kg 10回

7セット目:左カール12kg 10回
(左4セット右3セット)

このように、セット数を調整するなどして、絶対的な刺激も左右で変えていきます。

「強い右は当たり前に鍛え、弱い左はさらに鍛える」という流れです。

どちらの方法が良いの?

ここでは「絶対的に同じ刺激を」と「絶対的に異なる刺激を」の2つの方法を紹介しましたが、一概に「〇〇の方が良い!」と断言することはできません。

筋肉の左右差を改善するために適したトレーニングの研究は、私が知る限り行われておらず、また、各方法には、それぞれメリット・デメリットが存在し、定量化することが難しいからです。

例えば、2つ目に紹介した絶対的に異なる刺激を入れる方法では、左右別々に鍛えるため、トレーニング時間、厳密には「筋肉が力を発揮する時間」が長くなり、1つ目に紹介した絶対的に同じ刺激を入れる方法に比べ、より多くの労力・集中力を必要とします。

ちょっと疲れます。

しかし一方で、左右差を正確に知ることができるため、弱い左の成長を感じやすくなるでしょう。

「よし、左でも13kg持てるようになったぞ。右は15kgだからあと2kgだ」と、モチベーションに良い影響が及ぶはずです。

そのため、左右差を改善したいのであれば、とりあえずどちらの方法も取り入れてみて、ご自身に合った方を選択するのがよろしいかと思います。

もっとも、ここで紹介した2つの方法は、あくまでも具体例に過ぎないため、何か別に良い方法があるのであれば、そちらを積極的に取り入れてもらって構いません。

ただ、繰り返しになりますが、オーバートレーニングにならない範囲内で「弱い側に対して(相対的に)大きな負荷をかける=しっかり刺激を入れる」ことだけは守るようにしましょう。

 

<参考文献>

(1)A comparison of dominant and non-dominant hand strengths

(2)Muscle Hypertrophy in Prepubescent Tennis Players: A Segmentation MRI Study

(3)野球投手の筋厚の非対称性とボールスピードの関係

(4)女子バスケットボール選手と水泳選手の部位別左右別身体組成