札幌市のダイエット・ボディメイク専門パーソナルトレーニングジム「スタイルメソッド」の古本 直也(フルモト ナオヤ)です。

「筋トレをすると体が硬くなる」というセリフを聞いたことのある方は多いのではないでしょうか?

私は、これまでいくつかのスポーツに打ち込んできましたが、半数近くのコーチから、これと同じようなセリフを言われたことがあります。

体が硬くなる=可動域の低下は、柔軟性が要求されるスポーツ競技者にとっては死活問題ですし、高齢者にとっては生活の質を下げる一要因にもなり得ます。

果たして、本当に筋トレをすると体が硬くなるのでしょうか?

筋トレが体の硬さに及ぼす影響

まず、筋トレが体の硬さにどのような影響を及ぼすのかについて調べた研究はいくつか存在します。

例えば(1)では、平均年齢20代前半の男女を対象に、大きな可動域で筋トレを実施するグループとストレッチを実施するグループに分け、定められたエクササイズを一定期間行ってもらい、各関節の硬さがどのように変化するのかが調べられました。

なお、筋トレグループはスクワットやベンチプレスなどを、ストレッチグループは太ももの裏や大胸筋などを伸ばすベーシックなエクササイズに取り組んでいます。

結果はどうなったのかというと、どちらのグループも同様の可動域の改善が確認されました。

言い換えるのであれば、筋トレとストレッチにおける「体の硬さ改善効果」は同じだったということです。

また(1)以外の研究を調べてみても「筋トレをしたら体が硬くなった」という報告はなされていません(2)(3)。

そのため、筋トレをすると体が硬くなるという主張に関しては、強い疑問を抱いているのが現状です。

最後に

「筋トレをすると体が硬くなるという主張に関しては、強い疑問を抱いているのが現状です」と先ほど記載しましたが、人間の限界を超えるような筋肉量を搭載すると、もしかしたら体が硬くなることもあるかもしれません。

しかし、そのレベルまで達するのは困難を極めますので、少なくとも大きな可動域で筋トレをしている分には、体が硬くなる心配をする必要はないのではないか?と考えています。

 

<参考文献>

(1)Resistance training vs. static stretching: effects on flexibility and strength

(2)The influence of strength, flexibility, and simultaneous training on flexibility and strength gains

(3)Interaction between resistance training and flexibility training in healthy young adults