札幌市のパーソナルトレーニングジム スタイルメソッドの古本 直也(フルモト ナオヤ)です。

筋肉をつけるためには、筋肉に対して刺激を入れる必要があります。

ダンベルやバーベルなどの重りを持ち、負荷を加えることで筋肥大は起こるわけです。

今日は、筋肉をつけるために適した重さについて解説をしていきたいと思います。

重さとトレーニング効果

まずは、次の表をご覧ください。

重さ(%) 反復可能回数 トレーニング効果
100 1 筋力向上
95 2
90 4
85 6
80 8 筋肥大
75 10
70 12
65 15
60 20 筋持久力向上

筋トレ経験の長い方なら、一度はご覧になったことがあると思いますが、この表は、重さとトレーニング効果の関係性を表しています。

例えば、90%の重さ(最大挙上重量の90%)では筋力向上の効果があり、70%の重さでは筋肥大の効果があり、60%以下の重さでは筋持久力向上の効果があるということです。

そのため、65〜80%の重さで、回数に直すと、8〜15回できる重さが、一番筋肉をつけることができるとされています。

ちなみに、ここでのトレーニング効果とは、あくまでもメインとなるものを記載しており、90%の重さには筋肥大の効果はないとか、70%の重さには筋力向上の効果はないとか、そのようなことを言っているわけではありません。

重さ-トレーニング効果表の是非と科学的知見

先ほど、重さ-トレーニング効果表を元に「65〜80%の(8〜15回できる)重さが、一番筋肉をつけることができる」と述べましたが、実際はちょっと違います。

「あの表はデタラメ」というわけでは決してないのですが、特に筋肥大に関しては、あまり当てにできないところがあるのです。

では、結局のところ、どれくらいの重さが一番筋肉をつけることができるのかというと、限界まで追い込んだり、トレーニングボリューム=重さ×回数×セット数の総負荷量を増やしたりすれば、30%のような軽い重量でも、90%近い重い重量でも、どれも同様に筋肥大するとの報告があります(2)(3)(4)。

つまり、30〜90%前後の重さであれば、みな等しく筋肉をつけることができるということです。

意外かもしれませんが、筋肥大に重要なのは「重さ」ではなく「しっかり追い込んだか?」や「トレーニングボリュームを確保できたか?」なのです。

筋肉をつけるために適した=効率的な重さは?

「30%のような軽い重量でも、90%近い重い重量でも、どれも同様に筋肥大する」と先述しましたが、筋肉をつけるために適した=効率的な重さはどれくらいなのかというと、基本的には75%前後の(10回前後できる)重さになります。

あまりにも軽すぎる重量では、限界まで追い込むのにかなりの回数を繰り返す必要があるため、肉体的にも精神的にも強い疲労が生じ、フォームが乱れてしまう危険性がありますし、逆に、あまりにも重すぎる重量では、セットごとに繰り返せる回数が少なくなるため、トレーニングボリュームを増やす際には、その分セット数を多くする必要があり、これはこれで時間がかかります。

一方、75%前後の重さだと、軽すぎる重量に比べて疲労が少なく、重すぎる重量に比べて時間が短く済むのです。

最後に

このような理由から、筋肉をつけたいのであれば、基本的には75%前後の重さを使用されることをオススメしています。

もっとも、個人的には「重さをずっと固定するのではなく、定期的に変動させるのがベストではないか?」と思うところもあるのですが、それはまた別の機会にでもお話しましょう。

 

<参考文献>

(1)Time course for strength and muscle thickness changes following upper and lower body resistance training in men and women

(2)Training for strength and hypertrophy: an evidence-based approach

(3)Resistance exercise load does not determine training-mediated hypertrophic gains in young men

(4)Effects of different volume-equated resistance training loading strategies on muscular adaptations in well-trained men