札幌市のダイエット・ボディメイク専門パーソナルトレーニングジム「スタイルメソッド」の古本 直也(フルモト ナオヤ)です。
基本的に、筋肉をつけたいのであれば、75%前後の中重量(10回前後で限界が来る重量)の使用が推奨されています。
しかし、もっと筋肉をつけたいのであれば、85%以上の高重量(6回以下で限界が来る重量)を取り入れるのも効果的かもしれません。
トレーニングボリューム
早速本題に入っていきたいと思うのですがその前に、筋肉をつけるうえで欠かせない指標「トレーニングボリューム」の確認をしましょう。
トレーニングボリュームとは、総負荷量(≒持ち上げた総重量)のことで、一般的に「重量×回数×セット数」の3要素で表されます。
例えば、50kg・8回・3セット行ったとすると「50×8×3」で、1200kgがトレーニングボリュームになるということです。
そして、このトレーニングボリュームが同等であれば、筋肉の増加量も同等になるとの報告が多々存在します。
少し前までは、重かったり軽かったりする重量だと、筋肉をつけるのに効果的ではないと考えられていましたが、今現在は違います。
85%以上の高重量であったとしても、60%以下の低重量であったとしても、トレーニングボリュームを確保すれば、しっかり筋肉をつけることができるわけです。
では、なぜ様々ある重量の中でも、75%前後の中重量が、筋肉をつけるのに推奨されているのかというと、これは所用時間や疲労が関係しています。
高重量ではその重さゆえ、1セット当たりにこなすことのできる回数が少なくなるため、トレーニングボリュームを稼ごうとするのであれば、セット数を増やさなくてはなりません。
時間がかかります。
また、低重量ではその軽さゆえ、1セット当たりにこなすことのできる回数は多くなるため、トレーニングボリュームを稼ぎやすい傾向にはあるのですが、代謝環境などの関係上、思っている以上に苦痛です。
結構疲労が溜まります。
一方、75%前後の中重量では、高重量ほどの時間を必要としませんし、低重量よりも疲労が少なくて済みます。
このような理由から、筋肉をつけたいのであれば、75%前後の中重量が推奨されているわけです。
筋力の向上と高重量
75%前後の中重量が、筋肉をつけるのに推奨されている理由はお分かりいただけたかと思うのですが、もっと筋肉をつけたいのであれば、85%以上の高重量を取り入れるのも効果的だと考えています。
では、なぜこのような主張をするのかというと、それは筋力が関係しています。
筋力とは、文字通り「筋肉が発揮できる力」を表しており、かなり簡潔にはなりますが、いわゆる「力持ち」を示すものだと思っていただければ、そこまで大きな問題ありません。
そしてこの筋力は、トレーニングボリュームが同等であったとしても、いやむしろ少なかったとしても、より重たい重量を扱うことで、より向上することが確認されています(1)(2)(3)。
つまり、低重量よりも中重量の方が、中重量よりも高重量の方が、筋力は向上するということです。
言い換えるのであれば、低重量よりも中重量の方が、中重量よりも高重量の方が、より重たい重量を持ち上げることができるようになるということです。
とするのであれば、高重量を取り入れることで、筋肉はさらにつくと思いませんか?
筋力が向上すれば、結果、扱う重量やこなす回数も増加するため、トレーニングボリュームの増加にも繋がるはずです。
もちろん、いくらトレーニングボリュームが増加するとは言えど、短期間では微々たるものでしょう。
しかし、長期間になれば、微々たる差もやがては大きな差となり、筋肉をつけるうえで有益な影響を及ぼすのではないかと考えています。
<参考文献>
(1)Effects of Different Volume-Equated Resistance Training Loading Strategies on Muscular Adaptations in Well-Trained Men
(2)The effect of training volume and intensity on improvements in muscular strength and size in resistance-trained men
(3)Effects of Low- vs. High-Load Resistance Training on Muscle Strength and Hypertrophy in Well-Trained Men