札幌市のダイエット・ボディメイク専門パーソナルトレーニングジム「スタイルメソッド」の古本 直也(フルモト ナオヤ)です。

筋トレに限らず、何らかの運動をする前にはウォームアップから始めるのがセオリーです。

今日は、筋トレにおける「特異的ウォームアップ」に焦点を当て、プログラムを紹介していきたいと思います。

特異的ウォームアップとは?

まず、特異的ウォームアップとは、本番(メイン)セットの前に実施する低強度のウォームセットを指します。

80kgで10回・3セットをメインセットにする場合、20kgで10回、40kgで8回…みたいに重さを増やしていくと思いますが、この部分が特異的ウォームアップです。

特異的ウォームアップは、一般的に「神経系の活性」および「フォームの確認」を目的として実施されます。

神経系の活性

神経系の活性とは「火事場の馬鹿力が出やすくなった状態」と捉えていただければ、とりあえず大きな問題はありません。

いきなりメインセットから始めるのではなく、ウォームセットを取り入れることによって「これから重たいものを持って筋肉に刺激を入れるから、しっかり追い込めるように準備してね」と身体に伝えるわけです。

そして実際、筋トレ前にウォームセットを行うパターンと、ストレッチを行うパターンでは、ウォームセットを行うパターンでエクササイズの反復回数が増加したとの報告もあります(1)。

フォームの確認

これに関してはそのまんまです。

特に筋トレ初心者は、フォームをイマイチ習得できていないことがありますので、怪我をしないためにも、そして狙った筋肉に刺激を入れるためにも、ウォームセットを利用し、(適切な)フォームの確認をしておいた方が良いでしょう。

プログラムの具体例

特異的ウォームアップには「神経系を活性させる」および「フォームを確認できる」という2つのメリットがありますので、何か事情がない限りは、実施するに越したことはありません。

では、一体どのような流れで進めていけば良いのかというと、これに関しては何がベストなのかわからないのが現状です。

特異的ウォームアップに関する研究は、意外にもほとんど行われていないのです。

とは言えど、これまでの指導経験や感覚・同業者の意見を元にすると、おおよその目安を作成することはできます。

それが以下です。

・重さ:50%1RM未満の低重量からスタートし、徐々に重さを増やす。
・回数:多くても10回以内に留め、重さが増えるにつれ回数も減らす。
・セット数:1〜4セット前後。
・セット間休憩時間:1分前後。

例)メインセットが80kgの場合
1セット目:20kgで8回
2セット目:40kgで6回
3セット目:60kgで4回
メインセット突入

こうすれば、神経系はまず間違いなく活性するでしょうし、フォームも確認できるでしょうし、そして何よりメインセットに悪影響が及ぶほど疲労することもありません。

最後に

繰り返しになりますが、先ほど紹介した特異的ウォームアップのプログラムは、あくまでもおおよその目安に過ぎません。

例えば私なんかは、メインセット以上の重さを扱うときもありますし、知り合いのパワーリフターは、10セット近く実施される方もいます。

そのため、まずはご自身でいくつかのパターンを用意していただき、実践し、その中で最も良さげなのを取り入れるのがよろしいのではないでしょうか。

 

<参考文献>

(1)Acute Effects of Different Stretching Techniques on the Number of Repetitions in A Single Lower Body Resistance Training Session