札幌市のパーソナルトレーニングジム スタイルメソッドの古本 直也(フルモト ナオヤ)です。

ダイエットを成功させたいのであれば、日々のカロリー計算が重要になります。

体脂肪を落とすには「摂取カロリー<消費カロリー」という構図を作る必要があり、この食品にはどれほどのカロリーが含まれるのか?この運動ではどれほどのカロリーが使われるのか?を知らなければ、効果的なダイエットができないためです。

今日は、様々ある運動の中でも「筋トレ」の消費カロリーについて解説をしていきたいと思います。

メッツ(METs)

一般的に、運動の消費カロリーは「メッツ」と呼ばれる、身体活動の強度を表した単位で求めることが可能です(1)。

計算式・および流れは以下のようになります。

〜計算式〜
消費カロリー=1.05×メッツ×時×体重(kg)

〜流れ〜
身体活動のメッツ(METs)表より、該当する運動のメッツを調べます。
②運動時間を「時」に変換します(30分なら→0.5、60分なら1、75分なら→1.25)。
③計算式の各項目に数値を挿入します。
④8km/時のランニング(メッツは8.3)を30分、体重70kgの方が行ったとすると、1.05×8.3×0.5×70=「305kcal」が消費カロリーです。

筋トレとメッツ

先述した通り、運動の消費カロリーはメッツで求めることが可能ですので、身体活動のメッツ表より、筋トレのメッツを探せば、筋トレの消費カロリーを把握することができます。

それによると、強度によって違いはあるのですが、ウエイトトレーニングの項目で「3.5〜6」とのことです。

よって、消費カロリーは、

1.05×3.5〜6×時×体重(kg)

このような計算式で求まると考察できます。

比較的高強度の筋トレ(メッツは5と仮定)を1時間、体重70kgの方が行ったとすると、1.05×5×1×70=「368kcal」が消費カロリーと言えそうです。

筋トレとメッツの誤解

しかし、ここで1つ皆様に注意してもらいたい点があります。

先ほどから紹介しているメッツは、あくまでも「身体活動の強度」を表した単位に過ぎないという点です。

つまり、筋トレ中の「休憩時間」は考慮されていないのです。

「比較的高強度の筋トレを1時間、体重70kgの方が行ったとすると、368kcalが消費カロリーと言えそうです」と述べましたが、これは一切休憩を取らなかった場合の話なのです。

現実、そんなことはほぼないですよね?

そのため、実際の筋トレの消費カロリーは、メッツを使用した計算式よりも少なくなります。

また、ある程度正確な消費カロリーを把握したいのであれば、休憩時間だけではなく、運動様式(マシントレーニングorフリーウエイト)・トレーニング経験・性別…などにも気を付けなくてはいけません。

では、結局のところ、どれほどの消費カロリーになるのかというと、これまでに実施されたいくつかの研究(2)(3)(4)を踏まえれば、おおよそですが以下のようになるのではないかと思います。

運動様式 トレーニング経験 女性 男性
マシントレーニング なし 0.035〜0.04 0.045〜0.05
あり 0.045〜0.05 0.055〜0.06
フリーウエイト なし 0.04〜0.045 0.05〜0.055
あり 0.05〜0.055 0.06〜0.065

この表は、体重1kg・1分あたりの消費カロリーを表しており、私が独自に作った、筋トレ専用の「推定消費カロリー表」だと思ってもらえれば問題ありません。

マシントレーニングを、トレーニング経験のない、体重60kgの女性が45分行ったとすると、

0.035〜0.04×60(体重)×45(分)=「94.5〜108kcal」が消費カロリーになります。

休憩時間を長く取ったり激しく追い込まない場合は下の数値を、休憩時間が短かったり激しく追い込んだ場合は上の数値に近くなるはずです。

最後に

今日は、筋トレの消費カロリーについて解説をしてきましたが、いかがだったでしょうか?

思っている以上に、消費カロリーは少なかったのではないでしょうか?

正確な消費カロリーを把握することは現実問題かなり困難ですが、ある程度参考にはなると思いますので、是非利用していただければと思います。

 

<参考文献>

(1)健康づくりのための運動指針 2006

(2)Energy Cost of the ACSM Single-Set Resistance Training Protocol

(3)Effects of Load-Volume on EPOC After Acute Bouts of Resistance Training in Resistance-Trained Men

(4)Energy cost of isolated resistance exercises across low- to high-intensities