札幌市のパーソナルトレーニングジム スタイルメソッドの古本 直也(フルモト ナオヤ)です。

ダイエット中、体組成計を利用している方は多くいらっしゃると思います。

最近の体組成計は、体重だけでなく体脂肪量・体脂肪率などを部位ごとに計測できますので、使わない手はないでしょう。

しかし、それらの計測数値をアテにしすぎるのは、ちょっと問題があるかもしれません。

なぜなら、基本的にこのような計測機器には、誤差がつきものだからです。

体組成計について

一般的なスポーツジムや家庭に置かれている体組成計は「生体電気インピーダンス(通称、BIA法)」により計測が行われます。

BIA法は生体内に微弱な電流を流して、その際の電気抵抗から体組成を推定する方法です。

「筋肉は電気が流れやすく、体脂肪は電気が流れにくい」という、身体組織の特性を利用しています。

BIA法のメリット・デメリット

BIA法は、計測機器さえあれば、誰でも簡単な入力で体組成を調べることができるというメリットがある一方、見過ごすことのできないデメリットも存在します。

それが「誤差」です。

先述した通り、BIA法は生体内に微弱な電流を流して、その際の電気抵抗から体組成を推定するわけですが、この電気抵抗は、体水分量や電解質濃度に影響を受けることが確認されています。

つまり、発汗や飲食状況によって、計測数値は頻繁に変動するということです(1)(2)。

「つい30分前は体脂肪率が25%だったけど、今測ったら26%になった」このようなことが起こるのです。

そのため、ダイエットを頑張った甲斐があって、本当は体脂肪量・体脂肪率が減っているにも関わらず、表示上は増加している可能性が考えられます。

言い換えるならば、本当はダイエットの効果が出ているにも関わらず、数値上は効果が出ていないばかりか、むしろ悪い方に表示される場合があるということです。

このような状況は、あまり好ましいものとは言えません。

効果が数値として現れない焦燥感からか、無謀な食事制限やトレーニングに走って身体を壊し、それまでの努力を水の泡にしてしまうこともあるでしょう。

事実、そういった方を何人か見てきました。

体組成を計測する際の注意点

先ほど、BIA法のデメリットを挙げましたが、いくら誤差があるとは言えど「一昨日の体脂肪率は25%、昨日は5%、今日は15%」みたいに、計測数値が10%も20%も頻繁に変動することは、経験上まずありません。

ものによっても変わってはくるでしょうが、最近の体組成計は科学技術の発展により、かなり精密に作られていると業者から話を聞いたことがあります。

しかし、誤差が出るのは、BIA法の性質上仕方のないことです。

そのため、ダイエット中、体組成計を利用するのであれば、

①計測数値はおおよそに過ぎないと理解しておき、参考程度に留めること。
②長期的なスパン(4~6週間に1回の計測)で変動を見ること。

の2点をオススメしています。

こうすれば、メンタル面も楽になるでしょうし、計測数値に多少の誤差があるとは言えど、効果が数値として現れてくるはずです。

また、もし目に見えた効果が長期的に確認できなかったのであれば、それはそれで今のやり方に問題があるとも判断できますので、食事内容やトレーニングメニューを見直す良いきっかけになるでしょう。

最後に

誤差が出るとの理由から、ダイエットでは体組成計をアテにしすぎるのはやめておいた方が無難です。

あくまでも参考程度に留めておき、長期的なスパンで変動を見るようにしましょう。

 

<参考文献>

(1)Is bioelectrical impedance accurate for use in large epidemiological studies?

(2)The effect of acute fluid consumption on measures of impedance and percent body fat estimated using segmental bioelectrical impedance analysis